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アムステルダム覚書(芸術編)
前回の日記に書いた通り、数日間アムステルダムに滞在していました。
4日間の日程とは言え、観光に使えたのは2日半くらいで残りは人に会ったり用事を済ませたり、そんな感じでした。
それにしても何をするにしても疲れる…。

26日には夕方から開成の大先輩で三井物産に勤めている野崎さん宅に招かれて、夕飯を御馳走になりました。
オランダ在住の先輩として心構えや生活の知恵などを伝授してもらいました。
LOHASな立地に奥さんのおいしい料理と、このままだと日本に帰る気が失せるような充実した生活を送っているようでした。
年が20以上離れていても、やはり開成生の性で、すぐに運動会の話で盛り上がってしまいました。
結局、11時くらいまで居座ってしまい、お子さん達にはとんだ酔っ払いが来たなと思われたかもしれませんが、とても話していて為になったし、面白かったので、また行きたいなと思う次第です。
「1ポンド=1ユーロ=1ドル=100円」というのが先進国の真の物価だそうな。
今後の財布が思いやられます。イギリスに留学するのは大変だ。。。


・コンセントヘルボウ
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コンセントヘルボウには朝11時開演のオーケストラを観に10時に行ったら、すんなり入れてしまった。しかも15ユーロで。水曜日の昼間にはリハがタダで聴けるらしい。
コンセントヘルボウと言えばヨーロッパの中でもかなり有名なオーケストラ専用ホールらしいのですが、どの辺が音響に良いのかは、さっぱり謎でした。
しかし、確かに木造っぽい少し湿ったやさしい音がしていたような気がしないでもないです。
「のだめ」に倣いとりあえず「ブラボーっ!!」っと(心の中で)叫び、拍手喝采。


・ゴッホ美術館

色彩は斬新だとは思うけど、キュビズム一歩手前みたいな構図や一歩間違えたら小学生みたいなタッチは中々受け入れられず、未だにゴッホが何故、今のような名声を得ているのか理由がわからないのだけど、どうしてでしょう?誰か教えて下さい。
それでも「ひまわり」や「寝室」、「Potato Eaters」、「自画像」などとしばしにらめっこ。


・国立美術館(RIJSK Museum)
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この美術館はまさに神です。
一生に一度は出向いた方がいいです。
僕は2日連続で行ってしまいました。
「笑う自画像」はないらしいので、残念だったのだけど、何といってもオランダを代表するレンブラントの「夜警」を始めとした幾多の作品と、六本木を騒がせた我らがフェルメールの「Milk Mermaid」や「恋文」など4作品があります。

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六本木では長蛇の列の果てにも3m以内に近寄れず、「青色が光ってる!!」という事しかわからなかったMilk Mermaidもここなら10cm以内にも近寄れ、注がれた牛乳がとぐろを巻いているということ、Milk Mermaidの手首が日焼けしているということ、ガラス窓のガラスのうち一部が割れていること、そんなフェルメールの細やかさを実感できます。

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Milk Mermaidもそうだけど、恋文は更にTrickyです。
窓の隙間から覗いた構図も、明らかにパースの縮尺がおかしいです。扉が細長過ぎるし、手前の椅子がデカ過ぎます。
でも、それが効いています。斜めにかかるカーテンが目線の方向を絵の中心に向けてくれるので、召使と女主人(?)の浮気が見つかったのではという意味深な表情を際立ちます。

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一方、レンブラントの「夜警」はド迫力です。
目測、縦横3.5m×3.7mの絵には本気で鳥肌が立ちました。これは推測をする必要もなく、超大作でしょう。
それと共に気になったのが、レンブラントの二枚の自画像。
22歳のレンブラントと55歳のレンブラントです。60を過ぎて破産もし、年老いた破滅の中で不敵な笑みを浮かべた自画像だとすると、55歳の自画像は破産をし、重ねた苦労が厚塗りのおでこに暗喩されつつも、自分の信念を持っている様子。それに対して22歳の若いレンブラントは将来の成功を確信できていない暗中模索の状態のように見えた。(すべて推測です。いつ、破産したか知りません。。。)
まあ30年も経てば技法が変わるのはもちろんだが、個人の精神状態までをも推測させるのは中々あり得ないことだと思います。

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これがレンブラントの「笑う自画像」です。

映画に関しては昔から邦画を愛して止みませんが、絵画に関してはヨーロッパ文化を崇拝せざるを得ません。
それに、アムステルダムがどれくらい特別なのか分かりませんが、教養が身近にあるという事が言えます。
コンセントヘルボウなんて世界に名だたるコンサートホールで15ユーロでオーケストラを聴けるなんて日本じゃ考えられません。しかも、小ホールでは満員の観客の中、中学生くらいの子供達が演奏していました。
これじゃ千秋くんも飛行機乗ってヨーロッパ目指します。
日本から音楽で世界を目指すのは本当に大変なことなのだと痛感しました。


・マウリッツハウス美術館
日本大使館やオランダ外務省に寄る用事がハーグにあったので、それに合わせてマウリッツハウス美術館に出向きました。
リニューアルしたばかりで、レンブラントの「デュプル博士の解剖学講義」は展示されていませんでしたが、残りの二枚のフェルメールがヤバいです。これもヤバいです。

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一枚目は、「真珠の耳飾りの少女」
美の巨人たちの一枚目に出てくるあの絵です。
これが美しいのはわかっているとして、今回の僕の注目は完全に「デルフトの眺望」に寄せられました。

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「夜警」は別格だとすれば、この「デルフトの眺望」が今回、見る事ができた全ての絵の中で一番好きかも知れません。
売店でレプリカなどを見ていましたが、この絵の良さは実際に見ないと伝わらないと思いました。
まず、上の画像よりも大分色が淡いです。
油絵で淡い色を出すというのは絵具それ自体では不可能で、白地に点を打ちまくる事で、明るい印象の絵を描いたりします。その描き方によってか、3mでは見えていると思っていた稜線も30cmになると消えてなくなります。
地味にMilk mermaidいたり、手前が陰で奥に光を当てる配置が上手かったりと、何かを上手いです。


ちょっと日常のことを全然、書けなくなってしまったのだけど要するに、それだけ芸術というものがこの場所では日常に近い部分にあるということが、日本と大きく違うところだと思ったわけです。映画館は全然ないけど、日曜日にはコンサートホールに行けばいいし、カラオケはないけど、屋外でスケートしたり、歴史に名を残す絵画を見れば良い訳です。

アムスの中心部分は悪い意味で猥雑であるように感じましたが、やはり依然として彼らの生活は豊かであるように思えます。
これからはの時代はエネルギー的にも縮小していくことは明らかな時代なので、日本人はその縮小の時代に耐えるべく、「便利にはなったが、豊かにはなったか?」ということを自問自答していかなければならないのだと思います。

明日はよりお金がなくても、いい服が買えなくても、いい車が買えなくても、それで満足して生きられるか?

一般的には、難しいですね。
by machine1984 | 2008-01-31 07:05 | 非日常
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渡辺典文 / Norifumi Watanabe The University of Tokyo Graduate School of Engineer Architectural Department Master Course
by machine1984
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